Shooty

返り咲く金狼 – 井手口陽介 –

いのくち

2018/08/09 08:12

2018/08/08 23:13

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見出された可能性

「井手口っていう選手がいるんですけど」

元日本代表の38歳で、現在もガンバ大阪で現役のレジェンドとして活躍する遠藤保仁が過去に受けたインタビューでの言葉である。
「ガンバで将来期待される選手は?」との質問にいつも通りのゆったりとした口調で、当時はまだJリーグデビューを飾っていない無名の井手口陽介を紹介した。

「体が強いですし、パスもつなげますし、期待できると思います」

その期待通りに長谷川健太監督のもと、井手口は輝きを放つ。
2014年、ユースからトップチームへ飛び級昇格。高校3年生の年である。
そして同年にナビスコカップのグループリーグで公式戦デビューを果たす。
2015年から2016年にかけて出番が増え、ガンバ大阪にとって欠かせない選手へと成長した。

2017年には日本代表デビュー。
W杯最終予選のオーストラリア戦で、日本のW杯出場を確定させる豪快なミドルシュートを決め、世間にその名を知らしめた。

 

失敗の海外移籍

トントン拍子でトップレベルの選手に成長していったのだが、

ある決断がそのステップアップを妨げる。

 

海外移籍。

日本代表で目立つ活躍をすれば海外から声が掛かる。

それは非常に喜ばしいことであり、その選手が所属するクラブのサポーターは「頑張ってこい!」という叱咤をして快く送りだす。

近年では海外クラブに所属する日本人選手が増え、日本代表のメンバーがほとんど海外組で構成されることが珍しくない。
Jリーグで育った選手が海外移籍をして、日本代表に選出されて活躍をするという好循環が見られる。

 

その例にならってガンバ大阪も井手口を海外に送り出したのだが。
 
移籍したクラブはイングランドのリーズ・ユナイテッドAFC。

若い選手はイングランドの就労ビザの要項を満たさず、移籍直後に他国へ期限付き移籍をすることになる。
井手口が期限付き移籍をしたのはスペインのレオネサというクラブである。

 

これが結果的に彼にとっては大失敗となった。
移籍先でほとんど出番を得られなかったのだ。

 
移籍から半年後にロシアW杯を控えていた。
 

どれだけ優れた選手であっても、出場機会を得られなければ試合勘は鈍る。
1発勝負のW杯に試合勘のない選手は選べない。
移籍先は海外クラブであればどこでも良いと考えていたのかどうかはわからないが、そのままガンバ大阪でプレーを続けていればほぼ確実にメンバー入りしていたといわれることを考えれば、応援する側にとっては悔やまれる結果となった。

 

返り咲きを信じて

W杯は終わった。
彼はまだ21歳。あと最低でも3回はW杯を狙える若者である。
順調に見えたステップアップ。
ただ、Jリーグでも全てがうまくいったわけではないことを
ガンバサポーターは知っている。

 

2014年ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)。
鹿島アントラーズ戦で井手口は先発出場をした。
力のある相手を前にして緊張をしたのか、はたまたやる気が空回りしたのか、序盤からミスを連発。数回のミスには目を瞑ると監督は決めていただろうが、さすがに見かねて前半30分で交代を余儀なくされた。

苦い顔をしてベンチに戻ってくる彼の背中を、長谷川健太監督は大きな手で優しく叩いた。

 

そこから少しずつ経験を積んで、あっという間に大きな選手へと成長。
そんな経験をしている井手口陽介だからこそ、精神面での心配は必要ない。

 

インタビューの受け答えには独特の間が入り、緊張感を感じさせないふてぶてしさが垣間見える。
金色に染めた短髪や、フィジカルを生かしながらの賢いプレースタイルから、元日本代表の中田英寿氏を彷彿とさせるという声もある。

 

爆発的な成長の可能性を秘めた楽しみな選手である。ガンバ大阪在籍時に結婚しており、一児の父でもある。

成功と困難と責任感。
多くのものを背負い、乗り越えた経験を糧に再び日本代表として輝き雄叫びをあげる”金狼”の姿を見られる日を私たちは待っている。

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