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最後のところの精度の差。敗れたからといって全てが悪かったとは思わない。<J1 第5節 C大阪vs湘南>

勝村大輔

2018/04/02 08:10

2018/04/01 23:52

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最後のところの精度の差。敗れたからといって全てが悪かったとは思わない。<J1 第5節 C大阪vs湘南>

代表ウィーク明け2週間ぶりの再開となったJリーグ、昨シーズン二冠を獲り優勝候補の一角と目されながらも、リーグ開幕から4節、いまだ勝ち星に恵まれていないC大阪とのアウェー戦に臨んだ湘南は、これまでのリーグ4戦、ワントップに入っていたイ・ジョンヒョプをベンチにおき野田隆之介を起用、同じくこれまで不動の左サイドを張っていた海外遠征帰りのU-21日本代表、杉岡 大暉を温存、瑞戸 仁がベンチメンバーに復帰、ロシアW杯の中断期間までの15連戦を総力戦で挑む。

「前節東京戦で自分たちのサッカーが出せない部分があったので、もう一回原点に戻る。全員で一体感を持って我々の特徴を磨くトレーニングをしてきた。」曺監督の言葉に裏付けされるように立ち上がりから積極的にハイプレスを仕掛ける湘南、ピッチにはいつもどおりの湘南スタイルがあった。対するC大阪は球離れの早いパス回しで相手のプレスをいなし序盤からペースを握る。

先制したのはC大阪、13分、浮き球のルーズボール対し身体を反転、水沼 宏太がそのまま右サイドをドリブル突破。サイド深くをえぐると見せかけてヤン・ドンヒョンへヒールパス、ワンフェイントでコースを作り左足一閃。果敢に迫るプレスを個人技と突破され先制を許してしまう。試合はこのままC大阪ペースで進む。

粘る湘南はさらにギアを上げ、松田 天馬を中心に前線からの果敢にプレスに走りまわり相手を囲みボール奪取。奪ったボールをダイレクトにつなぎ素早くゴールに迫る。

象徴的なシーンは36分、左サイドに持ち出した高山 薫が秋野 央樹に当て自らが前線に抜け出す、秋野から石川 俊輝へ、石川から左サイドを駆け上がってきた大野 和成へ流す。鮮やかなダイレクトプレーで相手の足を止め、大野がクロス、最後は岡本 拓也のダイレクトボレーで同点に追いつく。ボール奪ってから精度の高い攻撃を繰り出す。湘南が試合のペースを奪い返す。

後半開始から高山に代わって杉岡 大暉を投入、60分に秋野から瑞戸へ、疲れのみえた松田から小林 裕介へ。積極的に交代カードを切る曺監督は、ポジション修正をおこないながら逆転ゴールを狙う。

今季初勝利を狙うC大阪は試合終盤に勝負に打って出る。76分、高木 俊幸に代わりエース杉本を投入、その杉本が大仕事をやってのける。86分、右サイドで松田 陸からのロングボールを受けた杉本はマークする大野に体を当て置き去りにする、そのままペナルティーエリアに持ち込み左足シュート。土壇場でゴールを奪われた湘南は万事休す。

「練習でやってきたことはある程度やれた。」と松田、「戦う気持ちは全面に出ていたと思いますけれども、(フィニッシュの)精度の部分は相手の方が上手だった。」と野田は悔しさを滲ませた。

「敗れたからといって全てが悪かったとは思いません。」曺監督の言葉どおり、思いどおりのサッカーが表現できていたからこその悔しい敗戦。誰が出ても同じスタイルを表現できる調子の良い選手を次々とピッチに送り出せる湘南は、この15連戦でどれだけ勝点を積み上げることができるのか。

記事はライター勝村大介氏のサイトからの転載記事となります。

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