Shooty

クラブ運営費からビッグフラッグ、キヅール立体化まで 多種多様なサッカー×クラウドファンディングの実情

岩崎 充

2018/03/30 08:38

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皆さんはクラウドファンディング(以下CF)というものをご存知だろうか?

インターネット上で不特定多数の方から出資を募り目的に応じたプロジェクトを実現させるという取り組みで、プロジェクト起案者は起案の目的、目標額及びリターン(見返り)をインターネット上で公表する(リターンのない「寄付型」や金銭リターンの「投資型」もあるがここでは省略)。

そして期間内に目標額をした場合、起案者はその後活動報告という形で資金の使い道やプロジェクトの進捗を共有、最終的に支援者へリターンを提供するというのが主な流れだ。

アメリカではKickstarterやIndiegogoがCFプラットフォームとして有名だが、今では新しい資金調達手段として日本でも定着した。

また、プロジェクトのジャンルは商品開発や社会貢献を目的としたものなど多義にわたるが、実はサッカー関連のプロジェクトも多くある。

成功事例1:沖縄SV

オーナー兼監督兼選手と三足のわらじを履く元日本代表FW、高原直泰が2015年に設立した沖縄SV。
選手強化費、育成費の調達としてクラウドファンディングを実施、目標額200万を超える377万円を集めることに成功した。

リターンには高原代表からのお礼メールや生電話、ビデオメッセージやさらに食事会などもあり、高原選手のファンにはたまらない内容だ。

残念ながら具体的な資金の使い道や食事会の模様はサイト上では報告されなかったが、チームは順調にステップアップしており、今年はJFLへの昇格を目指している。

成功事例2:コンサドーレ札幌

コンサドーレはCF活用にかなり積極的なクラブだ。
沖縄SV同様、強化費・育成費を目的としており、確認できただけでもすでに4つのCFキャンペーンを実施済み。リターンとして北海道の名産を押し出している点が特徴だ。

元日本代表 小野・稲本選手が在籍するコンサドーレ札幌から、日本代表選手を!①
元日本代表 小野・稲本選手が在籍する北海道コンサドーレ札幌から、日本代表選手を!②
元日本代表 小野・稲本選手が在籍する北海道コンサドーレ札幌から、日本代表選手を!③
みんなで「自分たちのクラブ」を作ろう!「松山光」プロジェクト!

これらの金額を合計すると800万以上の資金を集めており、決して馬鹿にできない。

ちなみに「松山光プロジェクト」は目標額に遠く及ばずだが「オールイン形式」のため、プロジェクトとしては成立している。

CFは目標額に達成しなかった場合はプロジェクト不成立となり支援者に返金されるパターン(オールオアナッシング)と、このプロジェクトのように達成/未達成に関わらず一人でも支援した段階でプロジェクト成立となるパターン(オールイン)という2通りが存在する。

成功事例3:アビスパビッグフラッグプロジェクト

こちらはサポーターによるプロジェクトで、J1復帰を目指すチームを後押しすべく2つ目のビッグフラッグを作ろうというもの。
チームを後押しするビッグフラッグ実現化はCFにぴったりの企画であり、今後何十年も活躍するであろうそれに名前を入れられるというアイディアが素晴らしい。

またこのプロジェクトは活動報告がまめに行われており、ビッグフラッグのお披露目は今年のゴールデンウィーク、ホーム山形戦となる予定だそうだ。

ちなみにプロジェクトページでは支援者からの応援コメントも見ることができるのだが、GK山ノ井拓己選手のご両親と思われるコメントを確認。

サポーターから選手の家族までまさにチーム一丸となったプロジェクトだ。

成功事例4:グルージャ盛岡マスコット キヅール

最後の成功事例はさらに異色だ。

一般投票によりグルージャ盛岡の公式マスコットに決まったキヅール。マスコット界の常識を覆すその独特なフォルムから立体化困難と囁かれる中、CFにて立体化に挑戦すると目標額290万を大きく上回る500万という支援総額を達成。


by 挑戦! グルージャ盛岡 公式クラブマスコット「キヅール」立体化プロジェクト

予定通り2017年10月15日にお披露目、その日のサッカーファンの話題は見事に「#キヅール」で埋め尽くされた。

興味深いのはそのプロジェクトページの応援コメントでもわかる通り、他クラブのサポーターからの支援が実に多い点。キヅール立体化は、日本サッカー界が一丸となった伝説のプロジェクトと言っても過言ではない。

以上4つの成功事例を挙げたが、以前Shootyで紹介したストリートサッカー1on1全国大会のCFも無事に成功。

また個人のプロジェクトとしては、伝説のスポーツライター賀川浩氏の対談集宮本恒靖氏のボスニア・ヘルツェゴビナにスポーツアカデミーを設立といった著名人のプロジェクト、他には40歳でJリーガーを目指すサッカー選手・安彦考真氏もサッカー番組「FOOT×BRAIN」にも出演しておりご存知の方もいるかもしれない。

一方失敗するプロジェクトも多数

ここまでは成功事例を紹介したが、実際は目標額に到達せずプロジェクトが成立しなかったサッカー関連案件は無数にある。
「失敗」としてインターネット上に残ってしまうのがCFの恐いところでもあるのだが、筆者としてはそれらをここで改めて晒すつもりはない。

ただうまくいかなかったプロジェクトに共通するのは、「魅力的なリターンが用意できなかった」点にあると思う。

きちんとしたリターンの設計を行った上で、今後も失敗を恐れずキヅールのようなサッカー界全体が盛り上がるプロジェクトが出てくることを期待したい。

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