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チェルシー 1-1 バルセロナ ビルドアップへの守備組織の解決策は

ぱこぱこ・へめす

2018/02/24 12:00

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バルセロナとチェルシーの試合はチャンピオンズリーグで因縁の対決だろう。この試合でメッシがチェルシー戦での初ゴールを決めたという記録も生まれた。エンリケ後に就任したバルベルデだが、デンベレの負傷とパウリーニョのフィットによって4-4-2の形に落ち着き、ラ・リーガで首位の座を走っている。レアル・マドリーの失速により、優勝も近づいてきた。

昨シーズンのプレミアリーグを優勝したコンテのチェルシーだが、夏にモラタやバカヨコ、冬にジルーを獲得し、3-4-3と3-5-2を兼用している。マンチェスター・シティが首位を独走しているため優勝の望みは少ないが、チャンピオンズリーグ出場権争いは白熱している。

スターティングメンバー


by @11tegen11

ティボー・クルトワ
セサル・アスピリクエタ、アンドレアス・クリステンセン、アントニオ・リュディガー
ヴィクター・モーゼス、セスク・ファブレガス、エンゴロ・カンテ、マルコス・アロンソ
ウィリアン、エデン・アザール、ペドロ・ロドリゲス


by @11tegen11

テア・シュテーゲン
セルジ・ロベルト、ジェラール・ピケ、サミュエル・ウンティティ、ジョルディ・アルバ
パウリーニョ、イバン・ラキティッチ、セルヒオ・ブスケツ、アンドレス・イニエスタ
リオネル・メッシ、ルイス・スアレス

バルセロナのボール保持とチェルシーの守備組織

チェルシーはモラタやジルーをベンチに置き、ウィリアン、アザール、ペドロの3トップで挑んだ。インテンシティの高い守備で貢献しながら、ドリブルなどで単独でも仕掛けることができる選手を並べることを選んだ。チェルシーのボール非保持時は5-2-3。ミドルサードでコンパクトな陣形を敷き、中央を閉じて外循環を強いた。


by footballtactics

バルセロナのフォーメーションは4-4-2であり、2CBと2CMFによるボックスビルドアップを中心にボールを前進させた。2CMFは3トップ間のパスコースにポジショニングし、3トップにパスコースを閉じさせて両脇のスペースを作った。センターバックがボールを持っている状態でフリーになるのはサイドバックの位置のスペースである。

その位置では左右非対称のボール前進が行われた。右サイドはシンプルにセルジ・ロベルトが開いた位置でボールを受ける。ハーフスペーススクエア(ハーフスペースかつDF-MFライン間のエリア)にいるパウリーニョはその位置でボールを受けてセルジ・ロベルトのオーバーラップを促すか、サイドに斜めに流れて外循環のパスコースを作ったり、セルジ・ロベルトのダイアゴナルの運ぶドリブルのためのスペースを作ったりする。さらにメッシが顔を出せば、それに合わせてポジショニングを最適化し、トライアングルを形成する。

一方左サイドでは異なる方法でボールを前進させていた。アンチェロッティのレアル・マドリーが特に得意としていたインサイドハーフ落としである。ビルドアップ時にSBがワイドで高い位置を取り、空いたスペースにインサイドハーフが降りてきてビルドアップの起点となる動きである。この時、ウイングは横幅を取る役割から解放されるので、内側のハーフスペーススクエアに入り、トップ下の役割を担うことになる。クロースやモドリッチのプレーが有名である。なお、中盤の選手が2CB間に落ちて3バック化ビルドアップを行うことは、リカルド・ラボルペの名前を取ってサリーダ・ラボルピアーナと呼ばれている。バルセロナの場合、アルバがワイドで高い位置を取りモーゼスをピン止めし、イニエスタが下がってハーフスペースの入り口にポジショニングし、ボールを前進させる。さらにこのボールを受ける時、ウィリアンとファブレガスのどちらがボールに寄せるか判断を強いるようなプレーを意識していた。ファブレガスがボールに寄せれば、中盤にギャップが生まれライン間を攻略しやすくなるためである。

バルセロナがアタッキングサードにボールを前進すると、チェルシーは5-4-1になる。DF-MFライン間を狭め、パスコースを閉じることでサイドへとボールを促す。単純なクロスでは高さで跳ね返すことができる。チェルシーは何度か中央でパス交換やドリブルを許したが、最後のシュートはほとんど決定的な形では許さなかった。

バルセロナのゴールキック、GKを使ったビルドアップに対するチェルシーのプレッシング

バルセロナはゴールキックからショートパスを繋ぐ意思を見せ、チェルシーはそれに対してハイプレッシングをかけた。ミドルブロックを形成しながらスローインやゴールキックなどでは局地的にハイプレッシングをかけるのはよく見られる。


by footballtactics

ハイプレッシングに対してワイドで低めの位置を取ったSBがプレッシングの逃げ所となる形は多い。プレッシングをかける側は4-3-3か4-4-2(4-3-1-2)で中央圧縮し、低い位置のサイドバックにはWGかインサイドハーフがスライドで対応するため、その間の時間でプレッシングを回避できるためである。しかしチェルシーは、WBがSBに対応することで逃げ所を作らせず、プレッシングがかかってパスを繋げなくなった時には前線に放り込むしかなくなる。

しかし困った時にロングフィードを送っても、チェルシーの高さの質的優位により競り勝てず、バルセロナはボール喪失を繰り返すことになった。このことに気付いたコンテは、GKへのバックパスを促すようにプレッシングを指示し、試合途中からボールを奪えるようになった。

ダイアゴナルのロングフィードを使うチェルシーの意図

バルセロナの守備陣形は4-4-2で、ネガティブトランジションではカウンタープレッシングを行った。4-4-2の泣き所として、中央圧縮すると逆サイドに広大なスペースが生まれるということがある。チェルシーはこの点を活用した。


by footballtactics

チェルシーはボールを保持すると、WGに高い位置を取らせて5トップに近いポジショニングをさせた。そしてDFラインや中盤でボールを持つと、逆サイドのWBへロングフィードを送ってサイドチェンジをし、3トップとコンビネーションを見せながら攻撃を仕掛けた。ウィリアンが前半で2回ミドルシュートをポストに当てたり、アザールが左サイドの深い位置で仕掛けて決定機を作ったりと、惜しい形を作れていた。

チェルシーが逆サイドへダイアゴナルパスを多用したことは、リスク管理の意味合いもあっただろう。逆サイドに広がるオープンスペースを活用することで、トランジションの連発を回避するとともに、3トップに仕掛ける形を与えることができた。

xGプロットでのまとめとセカンドレグの展望

xG(期待点)では0.46-0.59と、1-1というスコアが妥当と言える結果となった。シュート本数の7-12に対して考えると、決定的なチャンスが生まれなかった。両チームともリスクを侵し過ぎないことを念頭に置いていたことがわかる。


by @11tegen11


by @11tegen11

得点シーンを振り返ると、先制点のチェルシーは相手コーナーキックからのカウンターアタックで得たコーナーキックからウィリアンがニアサイドのわずかな隙へ流し込んだ。一方バルセロナはカウンターアタックでスアレスが倒されたもののPKを獲得できず、その直後のチェルシーのビルドアップをイニエスタがインターセプトしメッシが同点ゴールを奪った。精神論者ならばお互いに集中力が切れたタイミングでの失点と考えるだろう。

バルセロナとしてはファーストレグでアウェイゴールを奪って引き分けることができたので、セカンドレグではリスクを侵す必要がない。ホームの声援を背に、ボールを保持することを目指すだろう。チェルシーとしてはプレッシングをかけてボールを奪いチャンスを創造する必要がある。ファーストレグを見るとビルドアップでGKへバックパスを強いることが解決策になりそうである。

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