Shooty

オーストラリアサッカー監督体験記 就活事情

大野元春

2017/10/26 17:30

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前回コーチングライセンスの説明をさせていただいた際にも紹介させていただきましたが、私は先月、オーストラリアの首都キャンベラにあるMonaro Pahtners FC U18の監督に就任いたしました。

参照:ガラパゴスな制度?日本と海外のコーチングライセンスの違い

なぜ先月かというと、オーストラリアのユースリーグは8月末にリーグ戦が終わり、10月から翌シーズンへのトライアルが始まるため、クラブは9月中に新チームのコーチを決める必要があるためです。ちなみにオーストラリアは南半球のため、四季が日本とは逆です。

今回は監督のチーム探しについて日本とオーストラリアそれぞれでの経験を紹介しつつ、比べてみたいと思います。

日本でのコーチ就活事情

日本の場合はコーチの募集が表に出てくることがほとんどないためコネクションが最重要となります。
実際、イングランドのコーチングライセンス取得後に帰国した際に、日本で指導させてもらえるチームを探していたのですが残念ながら見つけることができませんでした。インターネットでの検索も何度もしましたし、東京都内の高校ほとんどに問い合わせましたがすべてその場で断られてしまいました。東京都が運営している中学・高校向けの外部指導員の人材バンクにも登録しましたが、まったく反応がありませんでした。他の地域の外部指導員募集にも登録したかったのですが、推薦書や日本国内の資格など条件が非常に厳しいため登録することすらできませんでした。そこで、私立の学校に絞って日本全国の私立学校100校以上に問い合わせたのですが、返答が来たのが5校だけで、そのうちの4件はお断りのメールでした。1件は履歴書だけ送ってほしいとのことだったのですが、形式上のようなものでした。
結局、コネクションを使うことには抵抗があったのですが、母校でコーチをさせてもらうことになりました。

©︎Shooty

オーストラリアのコーチ就活事情

それほど日本でチームを探すのに苦労したのですが、オーストラリアの場合はサッカー協会によってコーチとチームのマッチングができるシステムが確立されているためコーチを探しているチームを見つけることは非常に簡単です。
ここがオーストラリアに来た理由の一つでもあります。

まず、サッカー協会のサイトにコーチ募集の広告が掲示されていますので、そこから募集をしているクラブに履歴書を送ります。

その分募集しているチームに応募が集まりますので選考が厳しいです。
ここからは仕事探しと同じ要領です。履歴書と一緒にカバーレターという自己PRの手紙を付けて自分をアピールします。
そして書類選考を通ると、普通は実際に指導をして見せることが多いようなのですが、私は住んでる地域とは遠方のチームに応募していたため、自分のチームの練習風景を撮影したビデオを送りました。最初は宿泊代を出すからトライアルとして指導しに来てほしいと言われていたのですが、最終的にビデオ送ることに落ち着きました。

©︎Shooty

そして、サッカー関連の推薦人の連絡先を三人分提出してほしいと言われたので、前所属チームのテクニカルディレクターとチームマネージャー、同僚コーチにお願いして推薦人になってもらいました。提出してすぐクラブからその三人に電話がかかってきたそうですが、三人とも凄くいい事を言ってくれていたと、後々その電話をかけたテクニカルディレクターから聞きました。
そして、ようやくテクニカルディレクターのアダムとgoogleハングアウトを利用したビデオ面接までたどり着きました。
面接では自己紹介、サッカー哲学(フィロソフィー)、練習で気をつけていること、保護者との付き合い方などを聞かれ面接が終わりました。

最後まで油断は禁物!

面接の最後に「ほぼ君で決まりだけど、正式な連絡はまた改めてする」と言われ安心していたのですが、結局1週間連絡が来ず。心配になり再度確認したところ、突然「もう一人別のコーチと2人で監督をやってくれないか?」と提案されました。

一瞬悩みましたが、監督として自分の力を試すためにオーストラリアに来たので、「指導者はみんな違う哲学を持っているから対等な立場で2人のコーチがいたらチームはうまくいかない。なにより自分のサッカーを体現できるチームを探しているから、そういうことならそこでは働けない。自分を取るのか、もう一人を取るのか決めてくれ」と伝えました。
そんな啖呵を切ったものの、すでにチーム探しを止めてしまっていたので、ここでチームが決まらなかったら相当危機的状況に陥るため、内心はドキドキでした。

結局、正式に採用となり、送られてきた契約書にサインをして、ようやくチームが決まりました。

オープンなオーストラリア、閉鎖的な日本

チーム探し一つをとっても日本とは大きく異りますが、指導の機会という観点では、オーストラリアのほうが日本よりも開かれており、コーチにとっては非常にいい環境だと思い、オーストラリアに来てよかったと改めて実感しました。

*写真はMonaroアカデミーと言う名のクラブ主催の小学生向けサッカー教室の手伝いをしたときのものです。
集合写真の左側のコーチがテクニカルディレクターのアダムです。

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