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スパレッティ効果でインテルと長友に復活の兆し サポーターと再び喜びを分かち合う姿を

岩崎 充

2017/07/31 17:45

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NEWS

by sofascore

現在アメリカ、中国、シンガポールで開催中のインターナショナル・チャンピオンス・カップ。27日にはシンガポールにてバイエルンとインテルが対戦、試合は2−0でインテル勝利に終わった。

思うような補強が進んでいないとされるインテルだが、その試合内容には確かな変化が見て取れた。

効率よく攻めドイツ王者を完封

by soccerladuma

昨シーズン、インテルはマンチーニ、フランク・デブール、ピオリと1シーズンで3人の監督が入れ替わる迷走を続け、最終的にセリエAで7位に終わった。

今シーズンはローマからスパレッティ監督の招聘に成功、また現在までにフィオレンティーナから元スペイン代表MFボルハ・バレロ(32歳)、サンプドリアからスロバキア代表DFシュクリニアル(22歳)を獲得。この日は2名ともスタメンとして名を連ねた。

試合は序盤こそリベリのカットインからのシュートでゴールを脅かされたインテルだが、その後はソリッドな守備で試合を落ち着かせると、8分に右サイドのカンドレーバのアーリークロスをエデルが頭で合わせて早くも先制点(エデルのヘディングは難しいバウンドを合わせる技ありヘッド!)。

若手中心のバイエルンに対してポゼッションでやや上回るインテルは、29分に左SB長友からの前線へのフィードへ抜け出したペリシッチがそのまま左サイドからクロスボール。これをまたもエデルがヘディングで合わせてスコアは2−0に。

後半途中からは多くのメンバー交代を行うが大きく崩れることはなくバイエルン攻撃陣を完封。24日のリヨン戦の1−0に続きクリーンシートでの勝利となった。

名将スパレッティの攻撃サッカー

by 90min

対戦相手のドイツ王者バイエルンが若手や新戦力を多く起用していたこともあるが、この日のインテルは攻守に良い内容だった。

かつてローマでトッティを最前線に置くゼロトップを採用し世界を唸らせたイタリア屈指の戦術家、スパレッティ監督。
この日のインテルは、選手がいい距離感を保ち細かなパスワークで相手のプレスを交わしボールを前へ運ぶシーンが何度も見られ、すでに監督のサッカーが浸透しつつある事が伺えた。

特に新戦力のMFボルハ・バレロは攻守によく顔を出し、高い技術でチームの中心となっていた。またもう一人の新戦力、DFシュクリニアルは22歳ながらCBでコンビを組んだミランダと安定した守備を披露。189cmと大柄だがスピードでも負けることなく、対峙したレヴァンドフスキに仕事をさせず。

ライバルACミランは次々と選手を獲得し市場を賑わせているが、インテルも上位に食い込んでいく可能性を感じさせた一戦だった。

サポーターと再び喜びを分かち合う姿を

バイエルン戦でほぼフル出場(90分に交代)を果たした長友は、21日のシャルケ戦、そして24日のリヨン戦に続いて3試合連続の先発起用となった。

対峙したコマンとの地上戦では突破されることなくうまく対応、またボルハ・バレロ、ジョアン・マリオや同じ左サイドペリシッチとも好連携を見せ復活の兆しを感じさせた。

昨シーズンは出場機会が激減、リーグ終盤に同じポジションのアンサルディの負傷により先発起用となるも不安定なプレーを連発(SNSも炎上)、さらに日本代表でも調子は上がらず長友は苦しい状況が続いた。

この日も空中戦で競り負けるシーンや寄せが甘くクロスを許してしまうシーンもあり、またかつてのような攻撃面での効果的なプレーは少なく、まだ手放しで称賛できる内容ではなかったと感じたのは事実。また、前回のリヨン戦でもイタリア紙の評価は決して良いものではなかった。

しかしこの日のプレーは、何か上昇するきっかけになりそうな気配のする90分だった。

スパレッティ監督の放出リストに入っているという話や、同じ左SBに新戦力獲得の噂、さらに長期間負傷中だったアンサルディもこの日復帰するなどまだ状況は厳しいことにはかわりない。

そして長友がインテルへ加入した2010-11シーズン以降、チームの順位は下降していることは確かな事実だ。
それ以前のシーズンはリーグ5連覇、さらに2009-10シーズンはCLを含む3冠を達成していただけに、インテルサポーターとしてはチーム衰退の一因として避難したくなる気持ちも分からなくもない。
炎上したSNSでも7年間何もタイトルを獲得できていないというインテルサポーターの書き込みも見られた(実際は加入したシーズンにコッパ・イタリアで優勝している)。

by ilsussidiario

筆者としては、願わくばチームに残留、ポジション争いに再度勝利し、悲願のリーグ優勝をサポーターと分かち合う長友の姿を見てみたい。

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