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映像処理技術がサッカーファンを増やす!Jリーグが世界で初めて開始したデータセンターとは

扇ガ谷 道房

2017/06/07 12:15

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NEWS

映像はスポーツ界において、とても重要なエレメントです。生で観戦できない多くのファンに対して、映像はその感動の一端を伝えてくれます。
テレビで生放送される機会の少ないサッカーのゲームは、試合後すぐに一部でも画像や動画で観る事ができるというのは、サッカーファンにとってとてもありがたい事です。
通常映像の制作や配信というのは、映像専門の会社が行うと言うのが常識でしたが、Jリーグでは今年から新たな取り組みを開始しました。
それは、Jリーグが独自で映像制作した上で、クラウド上に映像を処理するデータセンターを構築した事です。
その実態に迫ってみます。


pixabay

放映権契約の変更に伴う制作著作権の変更

  
昨年までのJリーグは、スカパーと放映権契約を結んでいた事はご存じの方も多いと思います。
Jリーグは今年から英国のパフォームグループと巨額の放映権契約を結んで、J1からJ3までの全ゲームをDAZNが放映しています。

■ 関連記事:今までの7倍!Jリーグが締結した2100億円という巨額の放映権契約について

  
昨年まではスカパーとの契約では、放映権のみならず、映像の制作著作権もスカパー側にありました。今年からのパフォームグループとの契約では、この制作著作権はJリーグが保有する事に変わりました。
  
この事は大きな意味を持っています。
その一つは全てのゲームの中継映像をJリーグが制作しなければならないという点。
もう一つはその映像の効果的な活かし方をどうするかという点です。
権利を得た事は利点ですが、如何に活用するかによって、その成果は変わってしまいます。仕事量も増えて、活用策の企画も必要になります。
Jリーグはこの制作著作権を、自らのポジティブな変革の為に保有したのです。その最大の目的は、Jリーグの普及です。
自ら制作した映像を迅速かつ時代に即した迅速な方法で配信することで、Jリーグの情報を拡大させて、ファンを増やし、自らの価値を最大化しながら、ファンサービスに努める事ができるようになったのです。
  
   
pixabay

自らの手でゲーム映像を制作

映像制作という一見やっかいな仕事をしなければならなくなってしまったかの様に思う方もおられるかもしれませんが、昨年までは制作著作権と放映権がスカパー側にありましたから、Jリーグはゲームの映像を自由に利用する事ができなかったのです。
  
しかし今年からは、自ら映像制作をして著作権を保有することになったので、ゲームの映像をJリーグ自らの手で活用できる様になりました。
  
そこでJリーグは、今年1月に㈱Jリーグデジタルという会社を設立しました。公式映像制作とライブ配信が主たる事業目的で、㈱Jリーグエンタープライズの100%子会社という位置づけです。
  
こうして今年から保有する事になった制作著作権によって、Jリーグはゲーム映像の制作を行う事と、その著作権を得た事で、自由に映像を利用してビジネスを行う事ができる様になったのです。
  
では、この制作著作権で保有できた映像コンテンツをどの様に活かす事にしたのでしょうか?


pixabay

クラウド上のデータセンターという世界初の取り組み

    
ゲーム映像というのは、ゲームそのものの生放送以外にも、様々な形態でニーズがあります。放映自体は、放映権契約を締結したDAZNに任せておけば宜しい訳ですが、観客を沸かせたゲーム内容について、各クラブ、テレビ局、新聞社、出版社、WEBサイトなどのメディアから様々な映像提供が求められます。
  
多岐に亘る様々なニーズに応える為には、多くの機材や人材、手間がかかり、多くのコストが必要になります。コスト極小化しながら、迅速に映像ニーズに応える為に、Jリーグが導き出した答えがクラウドコンピューターの活用です。
  
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を利用して、プロサッカーリーグとして世界で初めてクラウド上に映像を処理するデータセンターを構築したのです。
  
欧米のサッカーリーグでは、既にデータセンターを通じて映像の処理配信を行っていますが、多大なコストと手間が大きな課題だと言われて来ました。
  
Jリーグが世界に先駆けて、クラウド上でその課題解決を図った方向性は、誇らしい方法論だと言えます。


by cloudpack.jp

  

その日のうちにゲーム映像を観る機会が増える情報処理技術

クラウド上に映像処理と配信のデータセンターを構築した事で、最も効果が表れるのは時間短縮によるゲーム情報の露出機会の増大です。
従来のデータ処理によれば、映像処理から配信までに4時間程要していた時間が、大幅に短縮されて30分程度で配信が可能になったと言われています。
配信時間が短縮されれば、当日のテレビ番組で取り上げられる回数が増える事に繋がり、Jリーグの一般への露出機会が飛躍的に増大できます。
  
私達ファンとしても、当日の内にテレビやWEBでゲームの映像を素早く観る事が出来るというのは嬉しい事です。
  
現代のIT技術の革新を取り入れる事で、Jリーグの魅力が一層伝わり易くなったと言えるのです。


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三つの基本映像種類とアーカイブ

全試合の映像データは、各スタジアムからIP網でデータセンターに集められます。集められたデータは、三つの映像種類に分類されます。
  
一つは、得点表示などCGと実況無しのクリーン映像。二つ目は、得点表示などCGと実況有りのダーティ映像。三つめは、クラブが戦術分析などに使用するスカウティング映像。
  
集まった三種類の映像をリアルタイムにニーズに応じて変換してデリバリーされます。
  
又、今年のリーグ戦だけでなく、リーグ開始から現在までの映像もクラウド上に移行して活用する計画があるそうです。
  
この様に、過去から現在までの映像データが、クラウド上から各メディアに配信される事で、サッカーファンはより早く多くの映像でJリーグを楽しむ機会を与えられます。  


pixabay

ITの技術革新は、サッカーの世界にも及んでいる事がおわかりになられたのではないでしょうか。
世界的には後発のプロサッカーリーグと言えるJリーグが、世界に先駆けて取り組んだデータセンターの運用が、世界的な広がりに繋がる事も期待したいですね。

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