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2年2ヶ月ぶりに日本代表復帰となった乾貴士がスペインで得たもの

Aki

2017/05/28 16:43

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5月25日に発表された、キリンチャレンジカップ2017のシリア代表戦、2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選イラク代表戦の2試合に臨む日本代表に、乾貴士が招集された。
2016-17シーズンリーガ・エスパニョーラ最終節、カンプ・ノウでFCバルセロナ相手に決めた2ゴールは大きな後押しとなったのかも知れない。
そんな乾が奮闘するリーガ・エスパニョーラでの2シーズンを振り返る。

by MARCA

クラブ史上最高額でエイバルに移籍


by SD EIBAR

乾貴士がリーガ・エスパニョーラSDエイバルに移籍が決定したのは夏の移籍期間も終了に近づいていた2015年8月26日。1940年に創設されたエイバルにとって当時クラブ史上最高額での移籍金での加入ではあるものの、その金額はわずか30万ユーロ。年俸などの条件もフランクフルトでのものよりも低かったそうだが、乾にとってはプロになる前から夢見ていたスペインでのプレー、迷いなくエイバルへの移籍を決断する。

乾とポジションを争うライバルとなったのは、その前年からエイバルに所属し、攻撃の中心的存在だったサウール・ベルホン。チームのエース的存在とポジションを争う事になった乾だが、エイバルはこのシーズンを迎えるにあたって新監督としてホセ・ルイス・メンディリバルを迎え入れていた事もあってか初出場は比較的早い段階の第5節。このデビュー戦でアシストを記録した乾はここから5試合続けて先発となる。

しかし第9節、乾が初めて挑んだカンプ・ノウでのバルセロナ戦でほとんどボールに絡めず、またボールを持っても対面のダニエル・アウベスに何もさせてもらえず途中交代。スペインの洗礼を受ける形となる。

その後1年目のシーズンは先発とベンチを繰り返し、最終的にはリーグ戦27試合に出場し3得点3アシストを記録。
シーズン後半はチームが調子を落とし守備的な布陣で望む試合が増えた為、先発出場は全試合の半分となる18試合に終わったが、出場試合27は1シーズンでの日本人最多出場。また試合に出場し始めてからはベンチ外となったのは2試合だけとシーズンを通じて重要な戦力ではあり続けた。

戦力アップに成功した2016-17シーズンのエイバル


by SD EIBAR

乾にとってスペインでの2シーズン目となる2016-17シーズン。エイバルは昨シーズンに引き続きメンディリバル監督が率いる事になり、乾にとっても期待が集まるシーズンとなった。
しかし、エイバルにとってはこれが1部リーグでの3年目。放映権料も入り予算的に一気に増やす事ができる。さらに、前シーズンは一度も降格圏に順位を落とすことなく残留を達成した事でスペイン全体の注目度もあがっていた。

その結果クラブからボルハ・バストン、ケコがステップアップしたものの、これまでのエイバルでは考えられないほどの実績ある選手が多く加入。その中には乾とポジションを争うであろう、レアル・マドリードにも所属していた事があるペドロ・レオンや、かつて若くしてマンチェスター・ユナイテッドに青田買いされたキャリアを持つべべもいた。
乾は開幕戦こそ先発出場するものの、その後はメンバーから外れることに。第8節までで出場したのは中2日での試合となりメンバーを入れ替えて挑んだ第5節のマラガ戦のみで、さらに4試合はベンチ外となっていた。

しかし第9節のエスパニョール戦で先発復帰しアシストを記録すると、先発の座を奪取。一時はアウェイではベンチスタートとなる試合もあったが、左サイドのポジションをシーズンを通じて確保し続ける事となる。

今シーズンの乾が初ゴールを決めたのは第29節のビジャレアル戦まで待たなければならず、その一方乾とポジションを争ったべべは第6節に初ゴール、その後も出番を減らす中でもゴールを奪っていたが、メンディリバル監督が先発で起用し続けたのはべべではなく乾。
そこにはスペインで2年目となった乾が見せた大きな成長があった。

乾が見せた確かな成長


by SD EIBAR

2シーズン目の乾はポジショニングで大きな成長を見せていた。
それは例えば守備の場面、乾が入るサイドハーフの選手は主に相手のサイドバックをケアすることになる。
日本でプレーしていた時やドイツ時代の乾はそのサイドバックに付いて行くという守備をしていた。日本での守備の考え方はそれでOK。1対1を重視するドイツでもそれでよかった。

しかしスペインではサイドバックに付いて行くだけでなく、中央に絞るポジションを取ることが求められる。それは単にサイドバックをケアするだけでなく、中央に絞る事で相手のサイドハーフへのパスコースを消す事ができるからで、その結果ディフェンスラインの選手が楽になる。つまりチーム全体の守備が楽になるからだ。この事でもわかるように、スペインのサッカーはポジショニングが非常に細かい。

スペインサッカーには華麗な個人技やパスサッカーのイメージがあるかもしれないが、実は攻守に置いてポジショニングを整理することでそれが成立している。
この考え方が徹底されているからこそ、他のビッグリーグに比べると予算規模的には中小クラスにすぎないスペインの中堅クラブがUEFAヨーロッパリーグでも結果を残し続けている。

また、リーガ・エスパニョーラが日本人選手にとって難しいリーグとなっているのも、この考え方が身についている選手は日本人に少ないからだ。
乾が先発起用を続けられるようになったのはこの部分が格段に伸びたから。元々メンディリバル監督に評価されていた初速の速さとテクニックに加えリーガで戦う為に必要な能力を身に着けた事でリーグ戦出場は28試合と1試合増えただけだが、先発試合数は26と大きく伸ばし完全にチームの中心選手となったのだ。

最終節バルセロナ戦での2ゴールは鮮やかなもので、カンプ・ノウが静まり返るほどのインパクトのあるゴールであったが、それ以上に乾が大きく成長したのは戦術力。
目立たないかもしれないが、これを身に着けた乾は来シーズンもスペインで活躍する土台を獲得したと言えるだろう。
そしてもちろんこの能力は日本代表でも必ず役に立つはずだ。

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