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前線でセレッソ大阪を牽引する 山村和也

Aki

2017/04/30 11:20

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J1昇格プレーオフを勝ち抜き、3年ぶりにJ1の舞台に戻ってきたセレッソ大阪。
予算規模の違いはあるものの、プレーオフ制度が始まった2012年以降、プレーオフで昇格を決めたチームはいずれのチームも厳しいシーズンを過ごす事になっていたが、第8節終了時点で首位浦和レッズと勝ち点6差の8位という成績は結果を残していると言ってもよいでしょう。
そしてその中心的存在となっているのが山村和也。しかもこれまで務めてきた守備的ポジションではなくフォワード、もしくはトップ下でチームを牽引しています。


by まいど!セレッソ

山村和也の前線起用

山村が初めて前線で起用されたのはリーグ戦第2節、浦和レッズ戦の73分からでした。
すでに浦和が3点を奪っており試合の体勢は決していたものの、それまで手も足も出なかった浦和に対して山村が前線に投入されてからは攻撃の形が作れるようになりました。
これに手応えを感じた尹晶煥監督は3節の北海道コンサドーレ札幌戦から前線で先発起用。
第4節の鳥栖戦、第6節の古巣鹿島戦では決勝ゴールを決める活躍を見せています。

またさらに、鳥栖戦、横浜F・マリノス戦、鹿島戦では試合終盤にセンターバックにポジションチェンジ。ゴールだけでなく相手の攻撃を跳ね返すディフェンダーとしても活躍を見せています。

キャンプから準備されていたコンバート


by まいど!セレッソ

この山村の前線起用は突然行われたものではなく、今季開幕前から準備されていたアイデアでした。
今季開幕前の山村はボランチのポジションをソウザと争う立場となっていました。
尹晶煥監督の構想ではボランチの軸となっているのは日本代表でもある山口蛍。開幕前に行われた練習試合では主力組のボランチをソウザと山村で順番に起用されていました。
しかしこの2人の内主力組から外れた方の選手はサブ組の前線で起用。つまりこの2人はボランチだけでなく、ボランチと攻撃的なポジションの両方でテストしていたのです。
最終的に開幕戦にボランチで先発の座を掴んだのはソウザ。前線は杉本と柿谷のコンビとなりましたので山村はベンチとなりましたが、開幕戦翌日に行われた関西学生選抜との関西ステップアップリーグでは、山村は前線でフル出場を果たしています。

攻守に安定感をもたらせることに


by まいど!セレッソ

現在前線で起用されている山村が担っている役割は大きく分けて3つ。
1つは杉本と並んで前線のターゲットとなること。もう1つは前線でボールを納めて攻撃の起点となること。そして最後に守備でファーストディフェンダーとなることです。
この3つの役割は、ポジションは違えどこれまで山村が持っていた武器がそのまま活用できる部分。
山村は187cmという身長の高さはもちろんですが、驚異的なジャンプ力も兼ね備えています。
またキープ力と起点となるプレーも、ロンドン五輪を目指したU-23日本代表でボランチを務めていたのは能力を求められて。現チームメイトの山口とのコンビでは、山村が攻守のつなぎ役として攻撃的な役割を担っていました。
そして最後のファーストディフェンダー。これは本職です。特にセレッソ大阪は、昨季まで戦術的な約束事をほとんど落とし込むことが出来ていないチームでしたので、チームをいち早く作り上げるには高い位置で正しい守備ができることが元も重要な要素だったかもしれません。

山村はかつて憧れの選手に、「ポジションは異なるが」と付け加えながらジダンの名前を挙げていました。そして今やチームメイトからそのキープ力を「まるでジダンのよう」とも言われています。
大柄で懐が深くキープ力がある。そして足元の技術も高く、シュートも上手い。
尹晶煥監督がコンバートしたこのポジションは、もしかすると山村の能力を最も発揮できるポジションなのかもしれません。

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