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見た目のサッカー:頂点の2人編

タカハラユウスケ

2017/04/11 08:39

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ずっとサッカー選手を描いてきたイラストレーターがサッカーを戦術や技術といった視点ではなく、いち視聴者としてプレーヤーの「見た目」から個人的な見解でサッカーを語ります。

© タカハラ ユウスケ

揺れるメッシと
挑戦者ロナウド

 ここ10年のサッカー界を牽引してきたのがリオネル・メッシ(29 バルセロナ=スペイン)とクリスティアーノ・ロナウド(32 レアル・マドリー=スペイン)であるということに異論のある人は少ないだろう。

彼らは常にどちらが世界一の選手であるかが議論されてきたが、イブラヒモビッチ(35 マンチェスター・U=イングランド)は2人をこう評している。
「メッシは唯一無二、彼のようなプレーをできる選手が今後現れるか分からない」「クリスティアーノ・ロナウドはハードトレーニングによって違いを作り出した選手で、生まれつきの才能ではない。」と。

もちろんこれはどちらかが才能がないとか努力してないとかいう話ではなく世界トップの極めて高いレベルでの話だが、イブラヒモビッチの言葉通り、神がかりともいえるドリブルやキック、天性のひらめきで相手を無力化するメッシに比べてロナウドは当たり負けしない筋肉の鎧、相手を惑わすフェイント、強烈な無回転シュートなどトレーニングによって得た技が魅力のプレーヤーであるのは確かだ。

性格も挑発的で目立ちたがりなロナウドに対してメッシはあまり自らメディアで目立とうとすることを好まない、対称的な2人が世界のトップを争っているのである。

 面白いのは最近の二人の外見がプレーや性格と正反対になってきているところだ。

髭をたくわえ、派手なタトゥーをいれ、髪を金に染めた(現在は地毛に戻っているが)メッシに対して、クリスティアーノ・ロナウドは髭も生やさず、タトゥーを入れることもなく※、マイナーチェンジはするが髪型も大きくは変わらない。

派手な性格でプレー的には派手で色々と後付けしてきたロナウドは見た目は何もつけず、シンプルかつ高度な技術で地位を築いたシャイなメッシが見た目的には様々な装飾をする…これはいったいなぜなのだろう。

 メッシはもともと今ほどの地位を自ら望んだわけではなかったのではないか思うことがある。高いレベルでプレーすることは望んでいただろうが、今のまるでサッカーの神のように扱われる状況を望んだわけではなかった(推測)。ところが彼には普通では考えられないほどの才能が与えられてしまった。サッカー史上でもほとんど例のないほどの才能ー。

前述のクリスティアーノ・ロナウド以外にもサッカーの王様ペレやアルゼンチンの英雄マラドーナといった伝説的なプレーヤーですらそれを無視できず、頻繁に自分とメッシの比較を口にしてなんとか自分のほうが優位に立とうとする。

チームや代表の調子が悪ければ真っ先に槍玉にあげられ、国中から批判される。そのプレッシャーたるやいかほどだろうか。世界最高のプレーヤーと呼ばれるようになり、巨大なプレッシャーにさらされるたびにメッシは自分を変えるために、落ち込んだ気持ちを払拭するかのように外見を変えてきた。

最近では左足にびっしりと入れたタトゥーを真っ黒なタトゥーで塗りつぶして靴下のようなタトゥーになったのが話題になったが、僕はそれに彼の心の揺れのようなものを感じた。巨大すぎる才能がメッシを神格化し、普通の青年である彼の心を揺らし続けていることが近年の外見の変化につながっているのではないだろうか。

 それに対してロナウドはあまり飾り付けをしない。
端正な顔立ちと完璧な肉体が一番の飾りだからともとれるが、メッシのように思いっきり自分を変えなくてはならないという心の揺れがあまりなかったのではないかとも思う。世界最高峰の実力をもちながら常に挑戦者だったというのが彼の心の揺れを少し軽減したのかもしれない。

祭り上げられ、準備することもなく大きなプレッシャーに晒されることになったメッシに対して、ロナウドは自らその地位を奪うために自覚をもって目立ち、スターになることを望んだ。メッシという絶対的な存在がいたからこそ自分を演出しようという余裕が彼にはあったのでかもしれない。メッシへの挑戦者であったことが彼を強くし、メッシがいなければまた今ほどのレベルに達しなかったかもしれない。

そんな2人も、キャリアの後半戦を迎えている。今後、2人のキャリアがどう変化し心がどのように動いていくのかはわからないが、彼らを見れる時代に生まれたことに感謝しつつ外見を含めて見守っていきたいと思う。

※ロナウドがタトゥーを入れないのは献血できなくなるから、という理由もあるらしい。

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