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傑出したチームワークで上位進出を狙う。【ノジマステラ田中陽子の現在地・インタビュー】

勝村大輔

2017/03/02 09:10

2017/03/06 16:14

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NEWS

本サイトでも度々、紹介させて頂いておりましたノジマステラ神奈川相模原に所属する田中陽子選手のインタビューを掲載いたします。
彼女が今、何を感じ、どんな想いで戦っているのか。。

なお、本記事のインタビュアー勝村大輔氏のサイトでは取材後記が紹介される予定(3月6日予定)となっておりますので、合わせてご覧くださいませ。

【強くなりたかった。】

「強さを身につけたかった。成長した自分にしっかりなって代表に選ばれたい。」2年前、スター選手が多く所属する強豪INAC神戸を退団。当時2部リーグに所属していたノジマステラ神奈川相模原を新天地に選んだ理由を田中陽子選手はこう語っています。

田中陽子の国際デビューは華々しかった。15歳でU17女子日本代表に選出、2008年におこなわれたFIFA U17女子ワールドカップでは、全試合にフル出場、4ゴールを挙げ、日本の準優勝に貢献。つづく2012年、日本開催となったFIFA U20女子ワールドカップでは全6試合中6ゴール2アシストの大活躍で、日本を銅メダル獲得へ導くと同時に、シルバーシューズ賞を獲得。順調なステップアップを踏んでいきます。

瞬く間にアンダー世代で輝き、なでしこジャパンの将来を担う逸材として君臨する姿に、誰もが疑うことのなかった田中陽子でしたが、翌年2013年、なでしこジャパンに初選出。同年9月におこなわれた国際親善マッチ、ナイジェリア戦での途中出場、途中交代という屈辱を最後に、なでしこジャパンに招集されることがなくなってしまった。「相手選手の厳しいマークに思うようなプレーをさせてもらえなかった。」田中陽子は、この試合をこう振り返っている。世界と渡り合うために足りなかったもの、そして、自らの成長の必要なもの、それは”強さ”に他ならない。

【再起への挑戦】

ーー「もっと強くなりたい。」という決意を持ってノジマステラへの移籍を決断したわけですが、今、実感している成長とは?

(田中)普段からトレーニングをみっちりやる監督で、その中に、必ずフィジカルトレーニングが組み込まれます。その後にボールを使う練習があり、その後にまた走りみたいな感じで、ホントにメンタルも鍛えられます。ボールを使ったトレーニングも、狭い範囲でやるものもあれば、広いものもあって、動き回らなければボールが回らないような、そういうメニューを結構長い時間やるので、日々のトレーニングで鍛えられてるなという実感があります。

ーー日々の厳しいトレーニングの効果は?

(田中) 試合中にキツイ時にでも走れるようになったり、そういう時でも、しっかりと考えながらプレーできるようになりました。そして、試合に出続けることによって、思うようなプレーができる、そんな感覚が身についてきました。

ーーノジマステラに入団してからの田中陽子選手は、楽しそうだ、活き活きとプレーしているという声を耳にしますが、そんな実感はありますか?

(田中) はい。それはありますね。求められていることと、自分がやりたいことが一致しているという実感はあります。そしてその背景にあるのが、監督との信頼関係だと思います。そこが一番大きい。

入団初年度から、田中陽子は、チームの中心選手として大車輪の活躍を見せます。リーグ戦27試合出場、26得点。157cm47kgという小柄で華奢な印象がある彼女ですが、フィジカルの強さと、無尽蔵のスタミナを手に入れたことで、持ち前の得点力に磨きがかかった。そんな実感があるようです。

しかし、チームはシーズンを2位で終え昇格プレーオフ進出を果たすものの、大阪高槻との決戦は、ホーム&アウェー共に引き分けに終わり、アウェーゴールという僅かな差に泣かされてしまう。新天地で飛躍を遂げるプレーを見せていた田中陽子でしたが、チームを昇格に導くことはできませんでした。

【チーム一丸】

華麗なパスワークで翻弄し、ボールポゼッションで相手を圧倒する。ノジマステラ本来の特徴を発揮するためには、一個人の能力に頼るのではなく、チーム一丸となって戦うこと。ノジマステラには伝統的なチームワークが存在します。

後一歩のところで苦汁を味わうことになった田中陽子は、移籍後2年目のシーズンを、自らの飛躍と引き換えに、チーム一丸での悲願達成へと挑む。

ーーチームメイトとの関係性は?

(田中) 入団当時は、即戦力の選手が7人同時に入ったので、既存メンバーとの関係性が難しかった。けど、それは時間とともに受け入れてもらえるようになった。個の強い選手が、チームを第一に考えるノジマステラのチーム方針への理解を深めることで、2年目に入って一つにまとまれてたのではないかと感じてます。

ーー入団1年目と2年目とでは、チーム状況はまるで違った。

(田中) はい。そうだと思います。ノジマステラは各選手との連携が大切な部分なのですが、そこがうまく行った時が嬉しい。連携が強まった要因は、やはりチームワークが高まったことではないかと思います。自分自身もチームのことが好きになっていった。それにはやはり監督が先頭に立って、チームを導いてくれている。そんな実感があります。

ーー例えばどんな風に?

(田中) 試合に出ているメンバー、出ていないメンバーに関係なく、チーム全員での行動を促してくれるし、それがチームワークの向上に繋がっていると思う。それに、寮の草むしりや、用具の準備とかも全てコーチが先頭に立ってやってくれたりしている姿を見て、選手は本当に感謝しています。寮生活をはじめ、チームメイトと苦楽を共にすること。それをバックアップしてくれる監督やコーチ陣のサポートがあってチームの絆が深まっていった実感があります。

ーー個人的な飛躍を誓った2年前と、現在とでは、目標は変わらずともチームに対する想い入れが強くなった。

(田中) それはものすごくあると思います。

田中陽子2年目の挑戦、2016シーズンを迎えたノジマステラは、開幕7連勝と怒涛の快進撃をみせる。14節を終えた時点で13勝1分の独走態勢に、誰もがノジマステラの1部昇格を疑うことはありませんでした。

ところが、リーグ終盤に突入すると、ノジマステラは、2位ちふれASエルフィン埼玉を中心に、上位チームの追い上げに苦しむことになる。つづく15節愛媛FCレディース戦、16節ちふれASエルフィン埼玉戦、共に先制しながらも追い付かれドロー。足踏み状態にもがくノジマステラでしたが、リーグ優勝を決めた17節C大阪堺戦は、これまでとは逆に、先制を許す苦しい展開を土壇場でゴールを追い上げ、自らの力で優勝を手繰り寄せ悲願の昇格を決めました。

全18試合中5ゴールでシーズンを終えた田中陽子の成績を評価する者は少ないかもしれません。しかし、自らのゴールと引き換えにチーム一丸となり掴み取った悲願達成に、彼女は涙ながらにインタビューでこう語っています。「自分がこのチームにいられることが幸せだなって、この仲間がすごい好きです。」

【ノジマステラの現在地】

そしていよいよ、ノジマステラのなでしこ1部リーグ初挑戦が始まる。

リーグ3連覇に挑む日テレ・ベレーザを筆頭に、4年振りの王座奪回に向けてINAC神戸が追従する。お馴染みの顔ぶれが上位にひしめく近年のなでしこリーグですが、昨年、1部リーグに初参戦したAC長野パルセイロが、強豪INAC神戸と勝ち点で並ぶ3位につける健闘をみせるなど、昇格組の台頭に勢力図は大きく変わろうとしている。

1部2部それぞれのリーグを経験している田中陽子にとって、ノジマステラの現在地、ならびに展望を聞いてみました。

ーー今シーズンから始まる1部での戦いに自信は?

(田中) 練習試合で実感しているのは、力の差はそれほど変わらないということ。ただ大きな違いがあるとすれば、それは最後の強さ。皇后杯でも1部と2部のチームが戦いは、僅差なんですけど、最後には1部が勝つみたいな。試合内容でしたら、2部でも引けを取らないんですけど、最後の強さ、そして巧さが違う。最後の最後で、どういう風に点を獲るか、逆にどういう風にして失点を防げるか。最後の強さが大事。

ーー田中選手が入団した当時はプレシーズンマッチで1部のチーム相手に1勝5敗だったような記憶がありますが、現在のチームは、当時のチームとは全く別のチームになった?

(田中) 今年のプレシーズンマッチは、3勝3敗2引き分けだったので、チームレベルが上がってる実感はあります。まずは失点を防ぐこと。そうすれば上位を狙えると思う。得点力には自信があります。チームとしては5年以内に優勝する。これが監督の構想です。

1点の重みに泣き、1点の重みに歓喜したノジマステラ。伸び悩む自らを奮い立たせるように新天地での飛躍を誓った田中陽子。そして傑出したチームワークと共にトップリーグに舞い戻ってきた彼女の視線はしっかりと前を見据えていた。

田中陽子選手プロフィール

田中陽子 (たなか ようこ)
1993年7月30日生まれ 現在23歳
山口県山口市出身
157cm47kg
利き足:右足
ニックネーム:よーこ
経歴:JFAアカデミー→福島→INAC神戸→ノジマステラ神奈川相模原
公式Twitter

今回の取材後記として、インタビュアーの勝村大輔氏のサイトに掲載予定となっております。(3月6日掲載予定)

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